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レクシスネクシス・ジャパン株式会社

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コメント from 開発&エディター



レクシスネクシス・ジャパンの開発チームエディターによる、身近な法律についてのコメントです。

第一話:海外出張 - 機内持込と法律

はじめに
レクシスネクシス・ジャパンにて、日本法総合データベース「LexisNexis JP」の開発を担当しています中澤と申します。

加除式図書の出版社勤務を経てレクシスネクシスに移りまして、はや2年が経とうとしています。

「データベースの開発」といっても、私の場合はリーガルリサーチの側面から、開発を担当しているので、世間一般にいういわゆる「開発」とは少々異なることをまずお断りしておきましょう。

このページでは、いわゆる判例や法令のリサーチについて、私が日々考えていることをつづって行きたいと思います。

海外出張 (1)
さて、まず、弊社はいわゆる外資系ということで、私もいやがうえにも英語をつかわざるを得ない日々を過ごしており、先日、生まれてはじめて海外出張というものにいってきたので、今回以降、数回はそれについてふと思ったことを書きつづっていきたい。

今年の10月から航空機内での電子機器の使用制限について、改正があったことは記憶に新しい。

「航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器等を定める告示」の一部改正(国土交通省のサイトへ)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/12/120928_.html

航空法及びそれに基づいて定められている上記の告示によって、一定の電子機器を機内で使用した場合に、機長が禁止命令を発して、これに従わないときは罰則(50万円以下の罰金)が課せられることになる(航空法73条の3及び同法150条)。

ところで、空港や、飛行機の中というのは不思議な場所である。
トム・ハンクスの映画「ターミナル」では、祖国が消滅したために空港での生活を余儀なくされる主人公が描かれているが、そもそも、なぜパスポートが失効するとゲートをくぐることができないのか、少々不思議である(すでにアメリカに「入国」しているのでは?という疑問がある)。
また、空港にある免税店も、なぜ「免税」されるのか、(税金がかからないに越したことはないからか)その理由はにわかには出てこない。

そもそも、飛行機というのは外国の領土の上を飛ぶので、素朴な感覚からすると、たとえば、アメリカの領域に入ってからはアメリカの法律が適用されるような印象も受けないではない。
冒頭の電子機器の使用制限も、アメリカの領空に入ったら、適用されなくなるのだろうか?

もっとも、結論から言うと、日本からアメリカに向かう(日本の)航空機の中では、アメリカの領域に入ってからも、日本の法律が適用されることになる。

たとえば、刑法2条2項は次のように定めている。

刑法
(国内犯)
第一条  この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
2  日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項と同様とする。


つまり、日本の航空機内で日本の刑法に違反した場合、日本の刑法が適用される、ということである。

もともと刑法が制定された当時には、すでに船舶があったので、こういった規定があったものが、航空機の登場にあわせて改正がされたものである。

本項の改正の趣旨について、衆議院法務委員会で若干の説明がなされており、少々極端な例などが挙がっているのが、議事録を通読してみて笑いを誘うところである。

* 「国会会議録検索システム」でその当時のやりとりをみることができる。
 http://kokkai.ndl.go.jp/

加えて、日本以外にも多くの国が同様の立法をしているので、帰りの便がアメリカの航空会社が保有している機体の場合には、成田空港で飛行機を降りるまで、機内では連邦法の適用がある(離陸前などにそういった旨のアナウンスがあるはずである。座席に備え付けてあるディスプレイにもその旨が表示される。)。

以上、航空機内での刑法の適用をほんの少しだが、取り上げてみた。

法律の世界では、(個人の受け取り方にもよるが)一見、常識とは異なる物事の取扱い方がされることが多い。
また、法律情報の世界では、特にアメリカと対比すると、いろいろと興味深い違いが出てくる。

機会があれば、こういった点について、読者からのご意見・ご質問についても取り上げてみたいので、ご意見・ご質問をお待ちしています。

参考:
航空法

(安全阻害行為等の禁止等)
第七十三条の三  航空機内にある者は、当該航空機の安全を害し、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産に危害を及ぼし、当該航空機内の秩序を乱し、又は当該航空機内の規律に違反する行為(以下「安全阻害行為等」という。)をしてはならない。

第七十三条の四
1〜4 (略)
5  機長は、航空機内にある者が、安全阻害行為等のうち、乗降口又は非常口の扉の開閉装置を正当な理由なく操作する行為、便所において喫煙する行為、航空機に乗り組んでその職務を行う者の職務の執行を妨げる行為その他の行為であつて、当該航空機の安全の保持、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産の保護又は当該航空機内の秩序若しくは規律の維持のために特に禁止すべき行為として国土交通省令で定めるものをしたときは、その者に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該行為を反復し、又は継続してはならない旨の命令をすることができる。

(技能証明書を携帯しない等の罪)
第百五十条  次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一〜四  (略)
五の三  第七十三条の四第五項の規定による命令に違反した者




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