ホワイトペーパーダウンロード【実務解説】改正薬機法で求められる法令遵守に関するガイドラインの概要
09 July 2021 09:00
2014年11月に、「薬事法」が改正され、法令名に医療機器が加わった「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称「薬機法」)が施行されました。2019年12月には広い範囲での薬機法の改正がなされ、段階的に施行されていますが、2021年8月には許可業者の法令遵守体制整備義務を含む改正内容の一部が施行される運びとなっています。改正薬機法施行に伴い、厚生労働省から改正薬機法で求められる法令遵守体制等の整備に向けて重要な指針となる「製造販売業者及び製造業者の法令遵守に関するガイドライン」が2021年1月29日付にて発出されています。医薬品・医療機器・再生医療等製品・医薬部外品・化粧品の製造販売、製造を行う企業にとっては、改正薬機法のガイドラインに応じた法令遵守体制等の整備が急務となっています。
そこでこのたび、レクシスネクシス・ジャパンでは『【実務解説】改正薬機法で求められる法令遵守体制等の整備ガイドライン案の概要』というタイトルのホワイトペーパー(2020年9月に執筆されたもので、Business Law Journalの2020年11月号に掲載されたもの)を刊行いたしました。著者は、ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所所属の弁護士であり、他に、Business Law Journalの2020年5月号に「改正薬機法と企業に与える影響」の記事を執筆等している根本鮎子先生です。
『【実務解説】改正薬機法で求められる法令遵守体制等の整備ガイドライン案の概要』は、項目ごとにQ&A形式でわかりやすく解説されており、改正薬機法で法令遵守体制の整備が求められる医薬品・医療機器・再生医療等製品・医薬部外品・化粧品の許可業者(企業)や関係業務に携わる企業人にとっては必読の書となっています。
ガイドラインの概要
薬機法は「保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止」「指定薬物の規制」「医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進」を趣意とする法律で、その規制範囲は、医薬品や医療機器、再生医療等製品、医薬部外品、化粧品にまで及んでいます。今回の改正薬機法で要求される法令遵守体制整備については、法改正とともに、ガイドラインが策定されており、企業側に薬事に関する法令を遵守させるための体制構築が要求されています。
『【実務解説】改正薬機法で求められる法令遵守体制等の整備ガイドライン案の概要』では、厚生労働省が公表した改正薬機法で求められる法令遵守体制に関するガイドライン案の概要について、大要以下の項目別に解説しています。
- 策定・適用時期
- 構成
- 対象企業・業務
- 企業の業態や規模による差異
- ガイドライン作成の背景
- 「薬事に関する法令」の内容
- ガイドラインで許可業者に求められている事項
- 法令遵守体制の構築が不十分な場合のペナルティ
- 「責任役員」の意義・責務等
法律の改正時には、企業の実務において解釈の違いによる混乱が生じる場合がよくあります。厚生労働省では、こうした混乱を防止するために「ガイドライン」を作成しており、改正薬機法施行の指針となると考えられます。
製造販売業者等の法令遵守体制
そもそも薬機法は、国民の健康に直結する製品に関する重要な法律だけに、それらの製品を製造販売等する業者にはきちんとした体制を構築して法令遵守することが要求されるのです。業者側は具体的にどのような法令遵守体制とすればよいのか、『【実務解説】改正薬機法で求められる法令遵守体制等の整備ガイドライン案の概要』では、求められる事項等について以下の項目の中で記述しています。
- 法令遵守体制の構築が不十分な場合のペナルティ
- 業務の遂行が法令に適合することを確認するための体制の要件
- 役職員の業務の監督に関する体制の要件
- 業務の適正確保のための体制の要件
- 総括製造販売責任者等の権限の明確化
- GQP省令等遵守のための措置
- その他の業務の適正な遂行に必要な措置
- 責任役員
医療機器及び体外診断用医薬品については「製造管理及び品質管理の基準」に関する省令が規定されており、「QMS(Quality Management System)省令」と呼称されています。そして医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品については「医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令」が定められており、「GQP(Good Quality Practice)省令」と呼ばれ、医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の製造販売業の許可基準として遵守が要求されている省令です。
GQP省令では、医薬品や化粧品等の製造販売業者に対し、品質と安全性に適合した製品の流通と、製造工程管理や流通後のクレームへの適切な対応、さらに品質管理体制における自己点検や教育訓練の遂行を要求する内容となっています。ガイドラインにおいても、GQP省令等の遵守のための措置が盛り込まれていることで、厚生労働省がGQP省令等の遵守を改めて企業に求めていると判断してよいでしょう。
薬事に関する業務に責任を有する役員
従来の「業務を行う役員」が、薬機法上「薬事に関する業務に責任を有する役員」として新たに整理されます。そして改正薬機法では、薬局や医薬品等の製造販売業者等が許可申請等をする際に、「薬事に関する業務に責任を有する役員(責任役員)」の氏名を記載することとなりました。これは許可業者等に法令遵守を徹底させるための方策として、業者の責任役員を明確化することにより、責任回避を防ぎ法令遵守を企業に要求することに主眼のある改正と思われます。企業にとっては、この概念が法令に盛り込まれたことにより、責任役員の責任のもとに法令遵守体制の構築を進める必要があります。
『【実務解説】改正薬機法で求められる法令遵守体制等の整備ガイドライン案の概要』では、責任役員の責務と責任役員の範囲について解説しています。
総括製造販売責任者等
責任役員の位置付けとは別に、総括製造販売責任者・製造管理者・責任技術者の選任要件についてもガイドラインは解説をしています。この点についても『【実務解説】改正薬機法で求められる法令遵守体制等の整備ガイドライン案の概要』において以下の項目について図表を交えて解説しています。
- 選任にあたり考慮すべきこと
- 意見申述義務とは
- 意見尊重および措置義務とは
総括製造販売責任者・製造管理者・責任技術者らは、いずれも各企業の現場でそれぞれの責任範囲での役割を担っている者です。したがって、総括製造販売責任者等の選任にあたり、ガイドラインをもとに今後選任にあたりどのような点に注意しないといけないかを知っておかねばなりません。
まとめ
2021年8月1日付で施行される改正薬機法の法令遵守体制整備義務については、ガイドライン案に寄せられたパブリックコメント(行政機関による意見公募)ももとにガイドラインが作成・発出されていますが、ガイドラインで要求される事項への対応がどのように行われていくのか、今後の実務の動向が注目されます。特に責任役員の検討や総括製造販売責任者等に関する部分は、企業内部の人事面に影響があるため、パブリックコメントでも企業側から多様な意見が寄せられました。
改正薬機法に関わりがある企業にとっては、経営幹部と管理職、現場責任者や従業員らが同法の趣旨を深く理解し、遵法精神を持って仕事にあたることが求められます。薬機法の解釈の誤認や不遵守により生じた不祥事は、当該企業に金銭的な損害を与えるだけでなく、場合によっては社会からの信頼を失う事態に陥りかねないことは過去の実例が証明しています。
改正薬機法の法令遵守体制整備義務により、今までよりもいっそう法令遵守体制の構築が各企業に要求されます。インターネットですぐにダウンロードできるレクシスネクシス刊行の『【実務解説】改正薬機法で求められる法令遵守体制等の整備ガイドライン案の概要』を読み、法令遵守体制整備義務の要点をまず理解することからスタートしてみてください。
注釈:「【実務解説】改正薬機法で求められる法令遵守に関するガイドラインの概要」はLexisNexisビジネスロー・ジャーナル2020年11月号に掲載された連載記事です。解説の内容は掲載時点の情報です。
ホワイトペーパーダウンロード方法
表示されているフォームに記入・送信いただきますと、ホワイトペーパーが表示されます。ご記入いただいた個人情報は当社で管理し、以下の目的のために使用されます。
- 本ホワイトペーパーダウンロードを提供するため
- 本ホワイトペーパーダウンロードに関するお問い合わせに対応するため
- 当社製品・サービスに関する情報を提供するため
今回ご提供いただく個人情報は、上記の目的以外に使用されることはありません。また、お客様の許諾なく第三者にご登録内容を開示することはありません。弊社プライバシーポリシーの詳細は、こちらから確認することができますので、送信前に必ずご確認下さい。