LexisNexis® ASONE  ワークフロー お客様導入事例

コンプライアンスの徹底と業務の効率化を実現するツール 


大和ハウス工業株式会社 環境部 様

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戸建住宅のサプライヤーとしてのイメージが強い大和ハウス工業ですが、商業施設やホテル・リゾート、スポーツクラブなど幅広い事業分野で成長を続けています。グルプ174社(2016年6月30日現在)を抱える大和ハウスグループで、環境マネジメントを推進する環境部マネジメント・リスク管理グループ マネジメントチームの山本さんと吉村さんに「LexisNexis® ASONE  ワークフロー」(以下、ワークフロー)の導入に至る経緯と狙い、今後の展開などについてお話をうかがいました。

【導入背景】
■グループ全体で環境経営を強化する必要性があった
■グループ会社には環境法の専任担当者が不在で、
法改正への対応は大和ハウス工業 環境部(以下、本社)からわかりやすく伝える必要があった
■自社でチェックリストを作成したが、日々の改正に追随し、
タイムリーに更新・メンテナンスすることは困難だと感じていた


【LexisNexis® ASONE  ワークフロー導入による解決】
■チェックリストに入力することで、法対応状況を瞬時に俯瞰することができるようになった
■自社に特化した重要な法分野のチェックリストも収録されており、効率的な対応確認ができるようになった

グループ一体で、環境経営の取り組みを強化

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山本:大和ハウスというと、住宅会社というイメージを持たれている方が多いと思いますが、戸建住宅や賃貸住宅などハウジング関連事業だけではなく、商業施設や事業施設の建設やホテル、ホームセンター、スポーツ施設の運営など多様な分野で事業を展開しています。これに伴い、グループ会社の売上高も年々増加しており、2016年3月期における売上高の連単倍率は約1.9倍と、グループ会社の占める割合が大きくなっています。このように、グループ会社のプレゼンスが高まっているため、コンプライアンスや環境経営についてもグループ連結でしっかりと取り組んでいこうとしているわけです。

環境経営の対象となるグループ会社の数はいくつあるのでしょうか?

山本:大和ハウスグループでは2055年までに環境負荷ゼロを目指す「環境長期ビジョン」を掲げ、3ヵ年ごとに「エンドレス グリーン プログラム」を策定して活動を推進しています。現行の「エンドレス グリーン プログラム 2018」はグループ145社を対象としています。前期間では子会社の33社のみでしたが、「エンドレスグリーン プログラム 2018」では孫会社まで対象を拡げて、まさにグループをあげての取り組みを行っているところです。

環境経営はどのような体制で推進されているのですか?

山本:環境マネジメント体制としては、社長を環境統括責任者として、全社環境推進委員会を設けています。この委員会はグループの環境経営方針、戦略、重要事項などの意思決定機関で、半期ごとに開催しています。委員長には環境担当役員が就いています。私たち環境部はこの全社環境推進委員会の意思決定を仰ぎながら、環境経営のPDCAサイクルを回していく、“舵取り役”を担っています。しかしながら、私たちが直接、各事業所やグループ会社の現場までガバナンスを効かせるのは難しいので、専門部会を設け、その部会の運営を通じて環境経営を展開するという体制になっています。

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環境専任部署と専任者のいないグループ会社に、

いかに環境コンプライアンスを展開するか

lineグループの環境マネジメントを推進する上での課題を教えてください

山本:各グループ会社には環境専門の部署がない会社が多いということです。コンプライアンスの重要性はグループ会社も重々承知しているのですが、日々環境に関する情報を収集し、法令の改正を受けて業務手順を見直すなどの業務を行う部署がなく、専任の担当者もいないことが一番の課題です。建設業法や宅建業法など、本業に直結する法律は専任の担当者が管理していますが、環境分野の法令は専門性が高く、内容を理解するのが難しい。さらに法律だけでなく施行令、施行規則、指導要綱などを追っていかなければ具体的な内容を十分に理解することができません。そのため、環境の専門部署がないグループ会社に、どのような遵守事項があるのかを端的にわかりやすく、伝えてあげる必要があります。

それがACM の導入を検討し始めたきっかけですか?

山本:そうですね。ワークフローを導入する前は各グループ会社に任せている状態でした。ISO14001の認証を取得しているグループ会社ではきちんと法律の情報を入手し、遵守事項も確認して、定期的に遵守状況をチェックしていますが、大半はISOを取得しておらず、環境部署もありません。そのような会社に対して、どのように法管理を行うべきか頭を悩ませながらも当初は自前でチェックリストをつくろうと作業を進め完成にこぎつけていました。

spaceワークフローの法令自動改正だけで、少なくとも1~2名分の業務量に相当

自前のチェックリストによる運営より、ワークフローを選択した理由はなんですか

山本:大和ハウス工業の工場では定期的に適用を受ける全法律の遵守チェックを行っていますし、担当者は法条文にも慣れているので、チェックリストの内容を理解できるのですが、そういう予備知識のないグループ会社では、理解するのが難しいのではないかと気づきました。法令の原文そのままではなく、内容を理解できるようわかりやすく要約してあげなければならない。しかし、その要約の過程で法の意図と違う解釈をしてしまう危険性がありますし、それに何よりも、日々改正される法令を追ってメンテナンスを続けていくのはものすごく大変な作業です。自前のチェックリストで運用するのは非常に難しいと感じていたときに、タイミングよくレクシスネクシスさんに出会いました。

多岐にわたる法令の改正を追いかけ続けようとすると、人手もコストもかかりそうです

吉村:そうですね。ワークフローの一番のメリットは改正に追随してくれるところです。手順書やチェックリストなどを、いったん完成させるところまでは時間をかければできますが、毎日官報をチェックして改正を追うことは非常に労力がかかります。廃棄物処理法や省エネ法など限られた法律だけならまだしも、グループ全体にかかわる法令すべてをカバーしようとすれば、少なくとも専任者をあと1~2名は置く必要が出てきます。ですから、改正への対応という点が一番、ありがたいと感じています。

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コンプライアンスの重要性の認識が導入を後押し

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収録内容についてはいかがですか?

吉村:法律に慣れ親しんでいない者でも理解できるように記述することは大変やっかいなのですが、それが信頼できる弁護士の手で行われている点も大きな魅力です。弁護士が、法解釈の範囲を逸脱しない範囲で、一般人が見てもわかる言葉に書き換えてくれているという安心感があります。

ACMの導入はどのようにして決まったのでしょうか?

山本:順調に検討が進み、早めに導入が決まりました。まず、法務部門とグループ会社を管掌している管理部門に話を通しました。コンプライアンスやリスク管理は守りの部分でエラーが許されないことは社内の共通理解ですから、総論で反対されるところはありませんでした。

吉村:2016年3月の全社環境推進委員会で、外部サービスの導入を検討していることを報告して承認を受けた上で、契約形態や対象会社を確認しながらID数など細かいところを詰めていきました。そして、10月の同委員会で導入を提案しました。委員から懸念や慎重論が出るかと思っていましたが、質問についてはいずれも前向きなものばかりでした。

①法改正に追随する、②弁護士がわかりやすい表現にしている、③今後グループ会社等の要望に応じ機能の拡張も検討してもらえる見込みがある、の3点をアピールした上で、年間のコストを説明したところ、コンプライアンスの重要性に対する経営層の認識も後押しとなり承認されました。

検討期間はどれくらいだったのでしょうか?

吉村:ワークフローが発売される2016年7月の相当前からレクシスネクシスさんと話をしていました。3月の委員会ではこのツールの話はせず、目的の提案にとどめていました。その後6月にレクシスネクシスさんにご来社いただいて、部門長にレビューしたのですが、抜群にいいと評価をもらったので、自信をもって具体的な検討に入りました。検討を始めてから10月に承認をもらうまで9ヵ月程度ですね。

導入検討から利用開始まで、レクシスネクシスの対応はいかがでしたでしょうか?

吉村:非常に柔軟に対応していただいています。実は以前、情報システム部に所属していましたので、多くのシステムベンダーさんとお付き合いした経験がありますが、その中でも、レクシスネクシスさんは弊社の困り事に真摯に耳を傾けていただいていますし、問合せや相談、要望に対するお返事をいただくのも早くてありがたいですね。

システム目線からのチェックもされていたのですね

吉村:環境部に異動する前に10年間システム開発に携わってきましたので、「データベース管理はどうしているのか」「クローズドなイントラに置くべきか、オープンな環境でやるべきか」など、システム面からの管理や運用についても十分に検討を進めました。ワークフローの使用場面をあれこれ想定して「こういう場合はどうなりますか?」といった質問もしました。セキュリティについてもしっかりと答えていただき納得しています。画面まわりもシンプルでわかりやすいという印象を持っています。

コストについては、どのような印象をお持ちですか?

山本:法律の解説本には1冊数千円するものもあり、環境法を扱うものだけでも20~30冊に上ります。グループ各社が環境法の解説本を購入し、法律が改正されるたびに、そのメンテナンスを自分たちで行う人件費を考えれば高い買い物ではないという印象です。

吉村: 私はワークフローを勉強ツールとしても使っています。ワークフローは、キーワード検索ができるため、環境法について調べたい時に辞書のようなツールとしても使え、便利です。

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現状を見える化し、具体的な課題を洗い出すツール

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実際にACMを利用して、どのように評価されていますか?

山本:運用を始めたのが2017年1月で、まだ2ヵ月なので評価はこれからですね。いままさに、各グループ会社にログインしてもらって、自社の事業に関連する環境法のチェックリストをすべて洗い出してもらうよう依頼している状況です。

吉村: いまは3月末の締切りで状況報告を求めている段階ですが、来期4月からは私たちもグループ会社を訪問して、困り事や課題について一緒に悩み、考えながら解決していきたいと考えています。ワークフローはそのためのツールです。チェックリストの結果は、課題を認識し、具体的な解決に落とし込んでいく際の、より深いコミュニケーションの入口になると期待しています。チェックリストを使うことで、「できているけれども、こういう課題があります」といった情報を吸い上げることが可能になりますので、詳しい情報共有のためにコメント欄の活用をお願いしています。

山本:吉村が言うように、ワークフロー導入の目的は現状を見える化してコンプライアンスの課題を把握し、それに対してどうすべきなのかを明らかにして、手を打っていくことです。チェックのためのチェックになってしまっては意味がないと考えています。

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PDCAサイクルのPlanとCheckを担い、

的確なDoとActionにつなげる

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コンプライアンスの徹底に、ワークフローをどのように活用していくのでしょうか?

山本:法管理のPDCAにこのシステムをあてはめると、どのような規制があり何をやらなければならないのかを確認することが「Plan」、それを実際の業務の中で実施していくことが「Do」、実際に遵守できているか状況を確認する「Check」、その状況に応じて見直しを行う「Action」へとつながっていくのですが、ワークフローは「Plan」と「Check」を担うツールであると考えています。

DoとActionはどのようなことが考えられるのでしょうか?

山本:たとえば、「Do」ではグループ会社の日常業務の中で法律を確実に遵守できるよう業務手順を作成し、教育・研修すること。「Action」では、法改正や遵守確認の結果を基に業務手順を見直すことです。この「Do」と「Action」のところは大和ハウス工業で実践してきた法管理のリソースや教育資料などがありますので、それをアレンジしてグループ会社を指導していくことを考えています。一方で、これから法管理をより強化していく会社であればワークフローを活用して、何をどうすべきかを洗い出す必要があります。このように、法管理のマネジメントにワークフローを組み込むことで、効率的かつ効果的にコンプライアンスを徹底していくことができると思います。

理想とするコンプライアンスはどのような形でしょうか?

山本:環境法管理という独立した業務自体をなくすのが最終形だと思っています。日々の業務遂行にあたって、その業務のルールに沿っていれば、法的要求事項も自ずと遵守されているという状態にすることです。日常業務の中で省エネ法や廃棄物処理法を意識しなくても、業務マニュアルや業務手順どおりにやれば、法律を遵守できているというのがあるべき姿です。ワークフローを活用し、ダッシュボードの結果を見ながら、課題がありそうな業務の改善および標準化に取り組んでいく必要があります。環境法の監査についても、当面は環境部がグループ会社に出向いて行うことを検討していますが、いずれは業務監査の中に環境も含めて環境専門の監査はなくしていきたいです。管理や監査、教育というものは環境分野に限らずあるわけですから、それらの中に組み込めるよう標準化を進めていきたいと考えています。

space制作 / レクシスネクシス・ジャパン マーケティング部